50年前の芸術はこんなにも熱く激しかった。
世界中で近代的な価値がゆらぎはじめ、各地で騒乱が頻発した1968年は、20世紀の転換点ともいうべき激動の年でした。日本でも、全共闘運動やベトナム反戦運動などで社会が騒然とするなか、カウンターカルチャーやアングラのような過激でエキセントリックな動向が隆盛を極めました。近年、この時期に起こった文化現象が様々な分野で注目を集めており、「1968」は国内外で文化史のキーワードとして定着したと言えるでしょう。
1968年前後は、日本の現代美術にとっても重要な時期になりました。多くの芸術家が日本万国博覧会(大阪万博)の準備に協力する一方で、万博に参加しなかった作家や評論家の多くが、この動きを批判しました。また現代美術のみならず、演劇・舞踏・映画・建築・デザイン・漫画などの周辺領域の作家たちも、既存のスタイルを打ち破るような先鋭的な試みを次々とおこない、またジャンルを越えて協力し合ったのです。
さらにこの年には、「もの派」の嚆矢ともいうべき関根伸夫の《位相-大地》が発表され、写真同人誌『プロヴォーク』も創刊されるなど、新たな世代が一気に台頭しました。学生運動やヒッピームーヴメントに代表されるような、既成の価値や体制に異議申し立てをおこなう時代の空気は、芸術家のあいだでも共有されていたのです。
本展は、1968年からちょうど半世紀が経過した2018年の視点から、この興味深い時代の芸術状況を、現代美術を中心に回顧しようとする試みです。この時代の芸術を輪切りにして展観することで、新たに見えてくるものがあるのではないでしょうか。磯崎新、赤瀬川原平、高松次郎、0次元、横尾忠則、宇野亜喜良、寺山修司、唐十郎、シュウゾウ・アヅチ・ガリバー、土方巽、林静一、森山大道、関根伸夫ら個性的な顔ぶれが縦横無尽に活躍した時代の熱い雰囲気を、この展覧会で感じ取っていただければと思います。
※期間中、公演や上映会等の関連イベントがございます。スケジュール等の詳細は下記ホームページをご覧ください。
開催日
平成30年9月19日(水)~11月11日(日)10:00~18:00
<金、土曜日は20:00まで>
※最終入館は閉館の30分前まで
※10月1日(月)、11月5日(月)は休館
開催場所
千葉市美術館
住所
千葉市中央区中央3-10-8
交通
■ JR千葉駅東口より徒歩約15分
■ 千葉モノレール県庁前方面行「葭川(よしかわ)公園駅」下車徒歩5分
■ JR千葉駅東口京成バス(バスのりば⑦)より大学病院行または南矢作行にて「中央3丁目」下車徒歩2分
■ 京成千葉中央駅東口より徒歩約10分
料金
一般1,200円(960円)、大学生700円(560円)
※( )は前売り、団体20名以上、市内在住65歳以上の方の料金
※小・中学生、高校生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は観覧無料
※☆1968年割引については下記ホームページをご覧ください。
主催者
千葉市美術館
お問合せ
千葉市美術館 043-221-2311
URL
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2018/0919/0919.html
備考
※千葉市科学館の常設展、プラネタリウムのチケット、千葉市科学館年間パスポートをお持ちの方は観覧料金が2割引となります。(ご利用日から3か月後の同日まで。1枚1回)
※10月18日(木)は「市民の日」につき観覧料無料
娑婆留闘社 《獄送檄画通信(三)》 1970年
千葉市美術館蔵 ©1970 Akasegawa Genpei


